旧家再生研究所 Produced by 住友林業ホームテック > 木の家を守る技術-旧家(古民家)に生きる、リフォーム最新技術- > 省エネルギーリフォーム技術
旧家再生研究所は、旧家(古民家)の実態に即した耐震、省エネ、バリアフリーなどのリフォーム技術を研究開発しています。研究は、茨城県つくば市の筑波研究学園都市にある「住友林業筑波研究所」で政府、自治体、大学などの研究機関や他企業の研究所の協力も得ながら進められ、そこで生まれた最新の技術が旧家(古民家)リフォームにも生かされています。
解体せずに気密断熱性を把握する調査方法や、自然の力を活用する新しい技術など、
省エネ性能の向上を図る研究開発にも積極的に取り組んでいる。
建物の状況に合わせた断熱リフォーム
木造住宅の断熱性能に関する基準(旧省エネルギー基準)が制定されたのは、
昭和55(1980)年。それ以前に建てられた家には、断熱材がまったく入っていないこともありますので、断熱・省エネ診断をおすすめします。
断熱材工事は、外壁側からも室内側から施工でき、同時に耐震補強工事も行えますので、筋かい方式から面材方式に変えると、断熱材をすっぽり充填できるので効果的です。
また、床下断熱や通気止め、コンセントの気密処理などを精密に行うことで、より断熱性の高い家が実現します。
■ サッシと窓の断熱気密リフォーム
二重化工法(内密設置)
既存のサッシはそのままに、内側にインナーサッシを取り付けて断熱性をアップさせます。窓まわりからのコールドドラフトやすき間風も改善。同時に防音効果も高めます。
アタッチメント工法
既存サッシの障子を利用して、高性能なガラスをはめ込む開口部の断熱工法です。冬の窓まわりのコールドドラフトを緩和しガラス面の結露を減少させます。
Low-E複層ガラス
用途に合わせて選べます。
【遮熱型】を西側に設置し、南側窓は【断熱型】のLow-E複層ガラスで熱を効果的にコントロールします。
※一般の複層ガラスは21%しか遮熱できません。
■ 部位別断熱リフォーム
天井の断熱小屋裏【敷込み】断熱工法
夏期の小屋裏にこもった熱気が室内に与える「焼け込み現象」を解消します。
夏期の冷房効率が改善されるとともに、冬期の暖房対策としても効果的です。
解体を伴わないため短い工期で施工できます。
防湿フィルム付きの断熱材を小屋裏にすき間無く敷込みます。
床の断熱床下充填断熱工法
キッチン等の床下に入り込み、ボード状の断熱材を張り付けます。
住みながらのリフォームが可能です。
壁の断熱オリジナル 内張断熱遮音工法
従来、壁に断熱材を充填する場合、壁下地をはがして施工していましたが、
既存の内部壁を解体せずに、その上から施工できる工法で、断熱性能と遮断性能を付加します。
■ 部位別断熱リフォーム
床の気密和室床下気密工法
和室の畳を全て上げて透湿防水シート※を敷込むだけの安価な施工が可能です
※水は通さないが湿気(水蒸気)は通す性質を持つシート。
壁の気密気流止め工法
間仕切り壁の上下に圧縮熱材を挿入した後、
膨張させ天井や床下からの空気の流れを止めることで、
各部屋への外気からの熱の影響を軽減します。
科学の目で室内の温度をチェックサーモカメラによる現場調査
温度に応じて色が変わって写るサーモカメラを用いて部屋を撮影すれば、場所ごとの温度が一目でわかり、どこにどんな気密断熱材技術を採用すればいいかの判断がつきやすくなる。住友林業ホームテックは、無駄なく効率のいいリフォームを実現できるよう、このような調査技術の研究も行っている。
大きなガラス戸はとても冷える。
ガラス戸の前に障子戸を重ねるだけでも大きな断熱効果を得られることがわかる写真。
ガラス戸に次いで上部の土壁部分が冷たく、暖気が上るはずの天井も障子戸の表面よりは温度が低いことを、色の違いが示している。
黄色から赤になるほど温度は高く、
緑色から青になるほど温度が低い。
畳のへりからも冷気が侵入。
引き戸の下と、畳のへりから冷気が漏れ、畳の表面や柱を冷やしている様子がわかる。
直前まで立っていた人の足の位置が赤くなっていることからも、ちょっとしたことで温度が変わることもうかがえる。
天袋の中や天井や壁も断熱が必要。
天袋の写真。上の戸を閉めている写真から、天袋の中から冷気がもれていることがわかるが、開けてみると、驚くほど中が冷えていることがわかった。天袋内の天井や壁の断熱を怠ってはいけないということの証拠だ。