旧家再生研究所 Produced by 住友林業ホームテック > 旧家ものがたり > Vol.05『民宿の記憶』
その大きな古民家は、
かつて民宿だったと言う。
緑ゆたかな飛騨の山間をゆくと、
目指す古民家が見えてきた。
真っ白い壁に、濃い茶色の柱、
どこかなつかしさを感じさせる佇まい。
「どうぞ、いらっしゃい」親しみやすい雰囲気の
男性が玄関先から顔をのぞかせた。
かつてこの家で民宿を営んでいたのだそうだ。
「お客様優先の間取りで、
家族にとっては住みづらかったんです」
以前は一人で住んでいたと言うこの旧家。息子さんの
定年を機に一緒に住むことを決意したものの
そのまま移り住むには問題も多かったのだとか。
「民宿用の間取りだったでしょう。客室が多かったた
め居間や台所が狭くて、家族には合わなかったんです」
しかも築約120年。断熱性や水回りなどに不安もあり、
リフォームに踏み切ったのだと教えてくれた。
応接間
家の中心にある応接間は、風通しと動線をスムーズにするために四方に戸を設けた。
玄関(リフォーム前)
玄関(リフォーム後)
狭かった玄関スペースは、吹抜けに包まれたダイナミックな空間に生まれ変わった。
廊下
1階の廊下は、卓球台が置けるほどの広さ。朝食スペースとしてお客様にも好評。
トイレ
土地の常識を覆し南向きでない方角にトイレを設けた。
お風呂
ゆったりと入れる広めのお風呂。